敷金の場合
マンションやアパートを借りるとき、必ず納める敷金。その大半が返還されないのが現状です。
大家さんは言うでしょう。
「畳が日焼けしているから、交換しなれば」
「タバコのヤニで壁が汚れているから、壁紙を張り替えなければ」
「きれいにしなければ、次の人に貸せないから」
そのための費用を、敷金から差し引くから返還できないのだと。
しかし、これらの費用は、本当に敷金で負担しなければならないでしょうか。
そんなことはありません。
家賃を滞納したり、意図的、または著しい不注意で、部屋に損害を与えたので無ければ、借主が負担する必要は無いのです。
敷金は通常通り使用していれば、ほぼ全額返還されるのが原則です。
具体的な事例のご紹介
マンションのオーナーが変わったら、再度敷金を差し入れるよう要求されました。また敷金を差し入れなければいけないの?
再度敷金を払う必要はありません。 払わない旨を書面で通知しましょう。
大家に無断でベランダにアンテナを取り付けたら、小さな傷が付いただけなのに9万円もの補修費用を請求されました。
通常補修に必要な費用を越える部分については、原則として返還してもらえます。
業者に見積を出してもらい、内容証明郵便で差額を請求しましょう。
それでも敷金を返還してもらえない場合は、少額訴訟を起こしましょう。
カレンダーを張るために画鋲を使ったら、小さな穴が数個開いただけなのに、クロスを全取替えすることになってしまいました。
画鋲の使用を禁止する特約が無く、通常の使用の範囲内(数個使用した程度)であれば、原則として全額返してもらえます。
内容証明郵便で請求しましょう。それでも敷金を返還してもらえない場合は、少額訴訟を起こしましょう。
2年しか住んでいないのに、特約があることを理由に、クリーニング費用を全額請求されました。
通常の使用の範囲内であれば、原則としてクリーニング費用全額につき返してもらえます。
内容証明郵便で請求しましょう。 それでも返してもらえない場合は、少額訴訟を起こしましょう。
敷金は返すと約束をしていたのに、長年住んでいて汚れが多いのを理由に、全額返還してもらえませんでした。
特に著しく汚したという事情が無ければ、原則として全額返還されます。
内容証明郵便で請求しましょう。 それでも敷金を返還してもらえない場合は、少額訴訟を起こしましょう。
壁や天井を塗り替え、カーテンレールや取っ手も取り付けたら、敷金が全く返還されませんでした。
一部であれば返還されることがあります。
カーテンレール等で部屋の価値が上がったことを主張して、大家さんと交渉してみてください。
前住人が残していったエアコンの撤去費用を、私の敷金から引かれました。
敷金を返してもらえます。
撤去費用の見積を出して内容証明郵便で請求してください。
それでも敷金を返還してもらえない場合は、少額訴訟を起こしましょう。
入室したときから壊れていた換気扇の修理費を、敷金から引かれてしまいました。
入居時から壊れていたことを立証できれば、原則として全額返してもらえます。
修理費の見積を取り、相当額を内容証明郵便で請求してください。
それでも返してもらえない場合は、少額訴訟を起こしましょう。
生活上、どうしても生じてしまうじゅうたんのへこみ・畳の日焼けについても「借りたときの状態に戻す必要がある」といわれ、敷金を返還してもらえませんでした。
通常の利用の範囲であれば、原則として全額返還されます。
内容証明郵便で請求しましょう。
それでも敷金を返還してもらえない場合は、少額訴訟を起こしましょう。
立退き料の代わりに家賃を免除してもらったら、それを理由に敷金が返ってきませんでした。
原則として全額返ってきます。 内容証明郵便で請求しましょう。
それでも敷金を返還してもらえない場合は、少額訴訟を起こしましょう。
入居時からの水漏れが原因で壁にシミが出来てしまったのですが、そのクリーニング費用を敷金から引かれてしまいました。
一部であれば返還されることがあります。貸主側と交渉してみましょう。
4年間住んでいた部屋を退室したら、障子・ふすまが汚れていると言われ、取替え費用を敷金から引かれました。
通常の利用の範囲であれば、原則として全額返還されます。
内容証明郵便で請求しましょう。 それでも敷金を返還してもらえない場合は、少額訴訟を起こしましょう。
特に汚れも傷も無い状態で退室したら、「借りたときの状態に戻す必要がある」といわれ、様々な修繕・クリーニング費用に使われて敷金が返還されませんでした。
通常の利用の範囲であれば、原則として全額返還されます。
内容証明郵便で請求しましょう。
それでも敷金を返還してもらえない場合は、少額訴訟を起こしましょう。
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